萩の椿

萩という土地は椿との縁が深い町だ。
「椿東」「椿西」という地区がある。地元の人間は当たり前のように「チントウ」「チンゼイ」と読む。

ワシは「普通あんな読み方する?」という具合に、女房に気づかされた。
が、意外にもこの椿の東、西という地名の謂れになった椿が何処かと問われると知らない人も多いのが事実。

そんな一本を探すついでに萩市の有名椿のご紹介と行こう。
ただし、園芸種として、非常にマニアックな世界のようだが
そんな、マニアな知識なんて持ち合わせてないんで、表面的な紹介しかできないぞ。


笠山群生林
美萩台のヤブツバキ
香川津のヤブツバキ(開花状態未訪問)
東光寺の紅唐子
上野の荒神様
市民館の古ツバキ(開花状態未訪問)
椿八幡宮の白椿
青海のキャプテン・ロー
桜江のサンダンカ
椿瀬の散りツバキ
番外編
サン精機株式会社の搾油機
参考図書;
萩ものがたりvol.1「萩の椿」
吉松 茂著
萩ものがたりvol.8「萩の巨樹・古木」草野 隆司著 
笠山椿群生林 椿瀬の散りツバキ 美萩台のヤブツバキ 東光寺の紅唐子 上野の荒神さま 桜江のサンダンカ 青海のキャンプテン・ロー 椿八幡宮の白椿
笠山群生林
萩の椿の代名詞とでも言える場所が笠山。

萩城の北東部に位置していたことから、鬼門の方角に当たるということで、藩政時代に樹木の伐採や鳥獣の捕獲を禁止していたんだそうだ。

明治に入り、その禁が解かれて開拓され多くの大木が切り倒されたが、再生を繰り返していたそうだ。
昭和45年に椿の研究家から保存の助言を受け、観光開発して現在にいたっているようだ。

それゆえほぼ野生に近い状態の椿の樹林が広がる。
園芸種ではないので、木の背は高く、花の観賞に向いているとは言いがたいが、公園化された場所には各種の園芸種が植えられていて、いろんな楽しみ方ができる。
←この群生林の中に7本ある開花標準木の一本。

7本全てが花を付けると、開花を宣言するのではなく群生林が見ごろを迎えるということだそうだ。

この7本を探してみるというのも楽しいぞ。
⇒連理のツバキ
隣の木の枝と完全に一体となった2本の木。
この樹林に何本か存在している。
椿の花というのは散るときに、花ごと落ちてしまうということで、あまり縁起が良くなく、そのあたりを嫌う人がいるのも事実。

が、こういう風に群生で落ちると、樹上と地上で二度楽しめる花とも言えるかもしれないな。(楽観者・・・。)
この樹林を利用して、毎年2月〜3月にかけて萩椿まつりが開催されている。
参考;萩市観光ポータルサイト;http://hagi-kankou.com/

美萩台のヤブツバキ
萩市保存樹木等指定No.42の木がこのツバキ。
ヤブツバキの突然変異種のようだ。
花と葉っぱに特徴がでるらしい。「ヒメアカリ」と命名されている。
その前に敷地内に入れないぞ。(2007.03に確認してみたら立ち入り禁止でした。)
保存樹木でありながら人目につかない場所にひっそりと存在しているのも惜しい気はするな。

では、そのツバキを何故撮影できたか?
キッカケは萩市保存樹木等指定標識をおいかけていた時のことだ。

いろんな所に問い合わせてみて、最終的に所有者に問い合わせてみたら?とのアドバイスに直接アポイントを。
これまた、いろんな人との繋がりがあって、結果的に許可を得る事ができたというわけだ。
(2007.04.13)
時期外れになんとか拝めた花。
特徴のある葉は結局見つけられなかった。
最終的に、一番高かったハードルを人の関わりや親切に支えられ越える事ができた。
関係者の皆さま感謝いたします。
よって、気楽に行ける場所ではありませんのであしからず。

香川津のヤブツバキ
(開花状態未訪問)

東光寺の紅唐子
萩藩主の奇数代の藩主とその夫人の墓があり、お盆の万灯会(←)が有名な場所、東光寺

ココに紅唐子というめずらしいツバキの木がある。

萩ものがたりvol.1「萩の椿」に記載されていて訪れてみた木。
萩市の珍しい椿としては「東の紅唐子」と「西のキャプテン・ロー」と言ったところか?(と、勝手に思っている)
藩主の墓に向かって右手の通路にツバキがある。
高い位置に花があるのと、写真の腕が無いのとで、鮮明な写真ではないが、普通のツバキと違うと言う事は分かってもらえると思うぞ。
普通のツバキよりも遅い開花で、桜時期重なる場合があるそうだ。
ちょっと立ち寄ってみてはいかがかな?

上野の荒神様
萩市にあるツバキの中で最古にはいる樹齢の木だそうだ。

根っこがむき出しになっていおりなかなかの風情をかもしだす。
椿ってこんなにでかくなるんだな・・・。
老木ながら花付きはまだ良い。
ヤブツバキなので、背が高く、花見には向かないと思う。

市民館の古ツバキ
(開花状態未訪問)

椿八幡宮の白椿
椿地区にある、イチョウのほかスダジイ、タブノキの大木群がある神社。

表からは大きなイチョウに囲まれ、裏手に大木群がある。
その大木群を抜けると椿地区では数少ない展望が利く場所があり三角州を一望できる。
なかなか見所が多い神社。

その神社内に椿の老木がある。
この木は白ツバキ。
見慣れた赤色とは違い、非常にインパクトのある白を放つ。
あまり元気があるとは言えない状態なので、
いつまでも頑張ってほしい存在じゃ。

青海のキャプテン・ロー
東光寺の紅唐子のところで紹介した「西のキャプテンロー」というのがこの木。

大照院の東、青海地区の民家の庭にある。
それは唐椿。真っ赤で大きな花が特徴の木だ。

イギリスのリチャード・ロー船長にまつわる木ということで、通称キャプテン・ローと呼ばれている。
普通の椿にくらべて開花時期が遅く、桜の開花時期と重なるそうだ。
持ち主の話だと、今年(2007年)は暖冬の影響か、いつもの年よりつぼみが大きくなっているそうだ。
たしかに大きな花で色合いもやさしく栄えていた。大人の手のひらはありそうな大きな花が咲く。

花のこころが分からないワシでも感動物だったので是非ご覧いただきたい。
民家の軒先なんで訪問時は在宅を確認の上で許可を。
当然駐車場もないので萩市民病院近くの公共駐車場に停めて歩くのが得策。
完全な民家の中なので、詳しい地図は省かせていただく。

桜江のサンダンカ
↑のキャプテンローからほとんど離れていない場所に、これまた珍しいツバキがある。

三段に花びらをつけることから三段花の名があるそうだ。
と言っても全部の花が三段というわけではなく、普通の椿のような花もある。
非常に貴重な木だそうだ。

この種としては国内最大だそうだぞ!
わかってもらえるか微妙な解像度ではあるが、なんとか三段の花とわかりそうな写真を載せて見た。

普通のツバキの花とは違うということはわかってもらえるのではないかな。

椿瀬の散りツバキ

今企画の主役がこの木だったりする。
萩市は、2本の川、橋本川・松本川により三角州を形成している。

橋本川で隔たれた西方地区を椿西(ちんぜい)地区。
松本川で隔たれた東方地区を椿東(ちんとう)地区と呼ばれている。

川で分けているイメージが強いこの地区を隔てているのが実はこの椿の木だったりするぞ。
この木より東が椿東、西が椿西じゃ。
ゆえに椿の東と西という命名だったんだな。
この地、今では平成の大合併にて、萩市となっているが、合併前は阿武郡川上村だった。
萩市の地区名をきめる印が旧川上村にあるのはおもしろいな。

旧川上村から県道67号線を使って旧萩市に入ってくると椿瀬というバス停留所の反対側の山の斜面に見える。
(道が狭く意外に交通量が多いのでわき見運転には注意を。)
椿は散り際に花がぼとりと落ちることからあまり縁起の良い物にたとえられないが、ここの椿は散り椿と言う種類。
花びら一枚一枚が散っていく。
訪れた日は椿のシーズン初めだったので花付も1部ぐらいだったが木の下には数枚の白い花びらがあった。

番外編
サン精機株式会社の搾油機

なんで企業の紹介?と思われるだろう。
椿ってのは花は注目されるが、その後の実というのをじっくり見られた人はそんなに多くないんじゃないかな。

今でこそ椿油と言うものに注目が集まっているが、早くからその油に目をつけていた地場産業がこのサン精機と言う会社。
名前の通り、当初はツバキとは無関係な精密機械加工の会社。
その機械加工の依頼の中で、小型搾油機作成があったことがキッカケとなり、椿に関わりが出てきたそうだ。
この搾油機という業界は案外ニッチな業界で、大量搾油の技術はあるものの、研究レベルや小規模の搾油機というのは少ないんだそうだ。
また目蔵めっぽうに搾れば良いってもんでもなく、圧力にともなうエネルギー(熱)制御なんかも重要になってくる。
そういったノウハウを積み上げ、ラインナップも増やし、国内唯一の小型搾油機メーカーとなったそうだ。

今では、機械だけでなく、絞った椿油の販売も開始した。

機械加工場の開発した食品ということで、メディアでも取り上げられている。
田舎のがんばる企業ということで、今後期待したい企業だな。
株式会社 サン精機HP;http://www.sanseiki.co.jp/
サン精機社長のブログ;http://ameblo.jp/sanseiki/


TOPへ 知っちょる?萩 indexへ
inserted by FC2 system