キリシタンの軌跡を追え!2(旧福栄村・阿武町編)


旧福栄村エリア
続いて密度的には一番濃い場所、旧福栄村部。
山口市仁保地区と萩市・津和野間は隠れキリシタンに纏わる話が多いそうだ。
黒須の石室(隠れキリシタンの墓) 仏光寺(キリシタン墓) 鉄心寺跡(伴天連の墓)
キリシタン祈念地(至福の里) 三位一体の像 長久寺(マリア観音、キリシタン墓)
     

黒須の石室(隠れキリシタンの墓)
黒須の石室全景 黒須(くろす)=クロス=十字架。
ひょっとしてかけているんだろうか?

旧福栄村部の県道10号線と旧萩市大井地区からの県道315号線の合流地点に広がる田園地帯にぽつんと一本の木が生えている。←
その下にいかにもと言うような石がある。
たぶんこれがそう。(パンフレット、地元案内板にも正確な場所が示してなく、しかも石の側に説明板もなかった)
黒須の石室1 ←大きさは高さが人の腰ぐらいか。
三方を平たい石でかこいその中に風化してしまってよく分からない石が祭ってあった。
黒須の石室2
真上から見れるわけではないので確証は無いが、この屋根を形作る石が十字架をデフォルメしてなくは無いかなと思われたな。
黒須の石室3 これは正面からの写真。
道祖神ともつくりが違うし、かなりうろついたにも関わらずそれらしい物が見つけられなかったのでこれで間違いないとは思うんだが・・・。

参考までに、ここに近づくには田の畦道を歩くんだが、田舎の散歩道特有の地雷が多数ばらまかれているので足元に注意。臭いもきつかった・・・。(踏んだらしい)

仏光寺(キリシタン墓)
仏光寺門 旧道と思われる道に小学校があるんだがその上に位置するお寺。
非常に風情があり、苔が一面広がっている。

←の門と思われる藁葺き屋根の建物には表に狛犬?裏側には猿が彫られていた。

ここにはキリシタン墓地があるが、他に県の有形文化財である文殊菩薩騎獅像がある。と言うよりこちらの方が有名かもしれん。

囲いには毛利の家紋が彫られており、ひょっとしたら有力者の菩提寺なのかもしれん。
仏光寺のキリシタン墓1 昼間でも薄暗く湿気の多い山中に墓地がありその最も奥にキリシタン墓が並ぶ。 仏光寺のキリシタン墓2
規模は比較にならないが大照院・東光寺に負けない風格がある。
仏光寺のキリシタン墓内部 小さく開けられた窓の中に手を合わせた像が鎮座している。

鉄心寺跡(伴天連の墓)
鉄心時跡 伴天連の墓と呼ばれる六角形の墓石がある。
宣教師の墓ではないかと言われているようだ。
確かに他の場所とは違う何かが漂っている。

山の中腹にあり、信者であったかもしれない農夫たちの作業を見守るには絶好の位置となっている。

案内板はあるが、近くに駐車場は無く100mぐらい先に集落の集会場のようなところにあるスペースに停めさせてもらって歩くのが得策。
お墓内部 仏光寺の物と同じく中には像が。 キリシタン六面観音
→キリシタン六面観音
佐々木小次郎の墓にあるものよりも状態は良く、六面ともハッキリしている。
友人BARA曰く「6人揃って 秘密聖隊バテレンジャー!」の面々。(おいっ)
非常に赴きがあり、それぞれの表情や持ち物にも違いがあり、宗教観の無い人間ではあるが見ていて落ち着けた。
鍋山
→近くには文字通り鍋をひっくり返したような形の鍋山がある。左右対象の山にありがちな火山だ。
この山の中にもキリシタンの墓地があるそうだ。

キリシタン祈念地(至福の里)
キリシタン至福の里・中山地区祈念地全景 切支丹禁制下において、キリシタン達がこの福栄の地に至福の場を持っていたのかもしれない。
この至福の地がなまって今の紫福(しぶき)となったとの説もあるようだ。

近年有志の方々により「キリシタン至福の里・中山地区祈念地」として再整備されたそうだ。

民家の間をすり抜けて行く。ここは遠慮なく案内通りに行ってOK。
最後に山道らしきところに着くが、四駆でなくても進める。祈念地に登る入り口に駐車スペース(せいぜい2台かな?)があるので大丈夫。ただし確率は低いと思うが先客がいた場合切り替えしが大変かも。
キリシタン至福の里・中山地区祈念地 10mぐらい歩けばすぐに現れる、これが「キリシタン至福の里・中山地区祈念地」だ。 キリシタン至福の里・中山地区祈念地
風化しかかっていたお墓を集めてきただけあって他所に比べ整備がいきとどいており規模も一番大きい。
キリシタン至福の里・中山地区祈念地 お墓の並ぶ前は広くなっており、礼拝の儀式もできるようになっているのかな? お墓内部
→中にある像も少しずつ違っている。
これは何? ←これは何なのか?われわれの仲間内でも問題になった品。
ポストと言う案が出たんだが、「誰が読むんだ?」ということで即却下だった。
おぼろげに思いながらも「募金箱では?」の声は誰の口からも最後まで出なかった。
いや、出さなかった。

出してしまうと雰囲気に飲まれて財布を開けてしまいそうな力がたちこめていたからな・・・。

三位一体の像
三位一体の像全景 ここも駐車スペースは無いんで県道と集落に入る分岐地の空いたスペースに置くしかないだろう。

しかも目的地は民家の間をすり抜けて行く形になる。
この日はたまたま地元のおばあちゃん2名が井戸端会議中だったので問い合わせると、
「この奥ですよ。」と教えてくれたので難なく見つかった。

おばあちゃんありがとう。

言われた通りに行くと、民家の裏の小高い場所にひっそりたたずんでいる。
この時期、柚子の木が良い感じだった。
三位一体像 ←これがキリスト教奥義、三位一体を表している像だ。
三位は信者、イエス、神のことなのか?
やはり胸の前でしっかり手を合わせているぞ。
壊れたお墓
→これはたぶんお墓がくずれて中の像が丸見えになっちゃったんだと思う。
お墓の一部と思われる石
何気なく後ろにころがっていた石があまりにも怪しかったので持ち上げてみると・・・。
NEW三位一体の像全景
かわいそうなので元に戻さず3つ仲良く見えるように並べてあげたんだが余計なお世話だったかな?

長久寺(マリア観音、キリシタン墓)
長久寺 旧福栄村部最後に訪れた場所が長久寺。
鉄心寺から移されたものが多数ありその中にキリシタンのものと思われる物が多数あるそうだ。

ここも仏光寺に負けず劣らず風情がある。
また田園が見渡せなんとも落ち着けるぞ。

ここは駐車場の心配は全く無い。
お墓群 スギの巨木の懐にならんでいるのがマリア観音にキリシタン墓だ。
今までの墓とは比較にならない高さと風格を備えている。
→こちらがマリア観音といわれている石仏。
観音様に見立てているが抱かれた子供はイエス・キリストなのであろうか?

誰であれ見ていて非常に和める石ではあるな。
とても弾圧下のピリピリした中での作品とは思えない余裕さえ伺える石仏。

他にも子供を抱いた地蔵がある。
マリア観音像
お墓アップ ←鉄心寺から移されたということもあり、宣教師のような立場の人のお墓ではなかろうか?
こちらは窓ではなく像がむきだしになっている。
道祖神
→馬頭観音と思われるが、頭には牛、手には斧(もしくは鍬か)と鎌を持っており、素人判断で農業に携わる神なのではなかろうか?
あやしい地蔵 案内板を見てやっと気づいたお地蔵さん。
黄色の枠内の錫杖に十字が刻まれている。

このとき不思議な現象が。
友人BARA、TARO、オイラと3方から同時に見たんだが、オイラの目にははっきりとした十字が、他の2人は見えなくはないが・・・、の感想。
地蔵さん手元アップ 上の現象の再現になるかと3方から撮った写真を並べてみた。
なんとなくなんだが、一番左の写真だと十字が浮き出ているように見えないだろうか?他の2枚だと十字というよりネプチューンが持っていそうな槍に見えるのはオイラだけだろうか・・・。

熊谷美術館の灯篭の事例もあるんでいろんなトラップが潜んでいそうでな。つい、そんな目でみてしまうな。

黒須の石室 仏光寺 キリシタン祈念地 鉄心寺跡 三位一体の像 長久寺
阿武町エリア
佐々木小次郎の墓
お墓のある山 下関市、岩国市と山口県にゆかりの多い佐々木小次郎であるが、終焉の地というか、お墓が阿武郡阿武町のひっそりとした山中にある。
何故?小次郎とキリシタンが?

実はこの小次郎、妻がキリシタンで、この地に小次郎の遺髪を
と言う訳でキリシタンのコーナーにお目見えした訳だ。

近年になって整備が進み道標も多くなり、以前よりは行き易くなった。
小次郎の墓 ←で、こちらが小次郎の墓。
キリシタン六面観音
→は、キリシタン六面観音

日中でも薄暗い山の斜面にありできれば午前中の明るいうちに訪れた方が良いと思うぞ。

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