萩市&阿武町の駅と山陰本線の見所

車社会となった昨今、なかなか鉄道での旅というのもできないものだ。
山陰地方などは人口の関係上 特に利用客は減ってきていると思うぞ。
少子化に伴い利用学生も減る傾向だろう。
そんな中、改めて鉄道に着目してみようと思う。特に意味はないけど。
 意外にも「日本一」&「日本で一箇所」が存在する貴重な路線でもあったりするぞ。
最初に断っておくが汽車という記述があっても間違いじゃないぞ。⇒

山陰本線の一部は電化されていない正真正銘の汽車だからな。

では各駅への旅へ。
山陰本線の汽車

山陰本線地図
飯井駅 三見駅 玉江駅 萩駅 東萩駅 越ヶ浜駅 長門大井駅 須佐駅 江崎駅 奈古駅 木与駅 宇田郷駅
飯井駅
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無人
単式ホーム一面一線
1964年(昭和39年)1月21日開業
飯井駅全景 萩市の最西端の駅。旧萩市三見町飯井にある。
お隣、長門市の境にある。
この何の変哲も無い無人駅が日本一、いや世界一とも言える場所だったりするぞ。
それは「日本一短い駅名」ということだ・・・。
(ひょっとしたら日本一小さい駅でも通用するような・・・。)
同じく「日本一短い駅名」では三重県の紀勢本線にある津駅が思い浮かぶが、アルファベット表記の場合は津【Tsu】の3文字に対してここ飯井【Ii】の2文字と一文字少ないそうだ。

ただし、飯井が一番と言っても他に鹿児島県の指宿枕崎線の頴娃【Ei】、長崎県の長崎本線の小江【Oe】(なんか別の意味で取り上げられそうな駅名・・・)、兵庫県の加古川線の粟生【Ao】があるようなんで、同率一位といったところなんだろう。
長門市側からの眺め 萩市側からの眺め
↑長門市側からの眺め。 ↑萩市側からの眺め。
駅舎? ←は駅舎の全景。 待合所?
→は駅舎のアップ・・・。
駅と言う名の待合所とも言う。
駅舎から萩方面 ←駅舎から萩方面を望む。 駅舎から長門方面
→同じく駅舎から長門方面を望む。
近くの見所
駅からの眺め はっきり言って観光施設や観光地は無い。

が、長閑な漁村集落そのものが見所といえるのではなかろうか?
ある種 ホームからの眺めが一番の見所と言う説もあるが・・・。

三見駅
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無人
相対式ホーム2面2線
1925年(大正14年)4月3日開業
三見駅 萩市の西に位置する三見地区の中心部にある。
農業と漁業の町であり、古き良き風情が残る町。

駅全体がカーブを描く面白い構造になっている。(珍しいそうだぞ)
それだけ狭い平地に作った駅ということなんだろうな。
山陰地方全体に言えることなんだが平野部がほとんどないからな。               
ホームから萩方面 ←ホームから萩方面を望む。
黄色の陸橋が目を引く。      
長門方面を望む
→長門方面を望む。
大きいカーブがそのまま駅に入ってきている。

意外と海から近くて、かすかに海の香が漂う。
近くの見所
三田八幡宮 ←三田八幡宮。
駅からだと歩いて10分ぐらいかな。
大きい神社ではないが、巨木群がありこれらは萩市の保存樹木にも指定されている。
この神社の前を流れる三見川は5月下旬から6月にかけて蛍が乱舞する。
海岸線
→あとは、海岸線・・・。かな。
三見駅を出発後しばらく山の中を走る。
その山中を抜けて日本海が見えてくると、トンネルとの合間ではあるが、海岸線を見ることができる。
晴れた日は堆積している砂の性質上南国に近いエメラルド色に輝く。

玉江駅
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無人
単式ホーム一面一線
1925年(大正14年)4月3日開業
玉江駅 旧萩市というのは三角州を中心に構成されている。
さらに歴史的価値の高い(と言っても江戸時代からだけど)物が多く残っている為だと思うんだが、この三角州内に鉄道は通っていない。この三角州を包むような形で川の対岸に山陰本線が通っている。
その三角州の西端に位置する駅がこの玉江駅。

県立萩高校、萩商工高校へのアクセスが楽なことからこの駅を利用する学生は多い。
近くの見所
萩城跡 ←萩市の城下町(堀内地区)。
常盤大橋を渡ると、萩市の観光地のメイン堀内地区が意外なほど近くにに存在。
倉江の浜
→多少歩くことになるが、我らの夏の聖地。倉江の浜。

萩駅
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無人
相対式ホーム2面2線
1925年(大正14年)4月3日開業
1996年(平成8年)登録有形文化財に登録
萩駅 文化財的価値が高い、市の名前がついたシンボル的駅。鉄道記念館になっている。

日本でも珍しい現象はこの駅からのぼり方向で体験できる。
東萩方面 ←東萩方面(のぼり)を望む。 長門方面(下り)
→長門方面(下り)を望む。
イルミネーション ←→
年末から翌年1月第一週ぐらいまで、夜間にイルミネーションが点灯する。
イルミネーション
鉄道記念館内部 ←鉄道記念館内部。
展示棚に鉄道マニアが喜びそうな品々が並ぶ。
鉄道記念館内部
→も同じく展示品。
正確には萩市自然と歴史の展示館と言うようだ。
近くの見所
電話BOX ←電話BOX、さらに電話もレトロ感いっぱい。
太鼓湾
→東萩駅に行く最中に見ることのできる太鼓湾。
萩三角州の起点となる場所。
これは南明寺からの眺め。
大照院 ←知れば知るほど色々見所のある大照院
拝観料200円。
金谷天満宮
→金谷天満宮。運が良ければ蒸気まんじゅうの屋台に出会える。
南明寺 ←(ちょっと遠い)個人的お勧め南明寺。春の桜、秋のモミジを是非。

東萩駅
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有人
2面3線
1925年(大正14年)11月1日開業
東萩駅
萩市の玄関がここ。ただし車社会になりその立場は失墜した。
駅ビルもあるんだが一階の店舗のみで他は利用されていないそうだ。
悲しい事だがある種 現在の萩市を象徴しているような場所かもしれん・・・。

玉江駅と同じく北部から旧萩市に来る学生の利用がほとんどかな。
東萩駅
萩城のレプリカ ←駅前にスケールは忘れてしまったが、萩城のレプリカ模型が展示されている。 駅ビル
→立派な駅ビルなんだがほとんど機能はしてないそうだ。
近くの見所
弘法寺 ←萩橋を渡って弘法寺。
境内の松は萩市の指定樹木。
シロウオ漁
→春のシロウオ漁(3月)
駅前の萩橋から眺めることができる。
松陰神社 ←(ちょっと遠い)松陰神社。しかし萩を代表する観光地だからな。 東光寺
→(さらに遠い)東光寺。個人的には西の大照院の方が好みではあるが・・・。
拝観料300円(1月1日と8月16日は無料)
どんどん 見所じゃないけど萩橋を渡ってうどんの「どんどん」でうどん。 どんどんの看板

越ヶ浜駅
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無人
単式ホーム1面1線
1960年(昭和35年)4月1日開業
越ヶ浜駅 笠山の麓が越ヶ浜地区なんだが、随分手前にその駅がある。
萩マリーナという萩の中では一番生活観の無い港が目の前にある。
切符は駅前の商店で購入。
この規模で異常に長いホームを有するが、これは近くと言えば近く、遠いと言えば遠い「反射炉」への鉄の搬入起点だったことに起因しているらしい。

正直、今回初めてこのホームに足を踏み入れたぞ・・・。
長いホーム 確かに長いホームだ。

←益田市方面を望む。
長いホーム
→が萩市方面。
駅舎・・・。 ←飯井駅に負けない規模の駅舎と言うか待合所。 切符売り場
→この店で切符を買う訳か。
近くの見所
反射炉 ←説明したからには「反射炉」。
何故か北九州市が申請している世界遺産に含まれているそうだ。密かな桜の名所らしい。
萩マリーナ
→目の前にある萩マリーナ。
地ビールを飲めるレストランなんかもあって、萩とは場違いな雰囲気を味わえる。
笠山 ←駅から遠いけど見所たくさんの笠山。(この写真は菊ヶ浜から) 明神池
→(その麓)明神池。
こいつらに要注意!

長門大井駅
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無人
相対式ホーム2面2線
1929年(昭和4年)4月24日開業
長門大井駅 旧萩市の最北駅だった駅。
実は萩駅からこの駅までが日本で一箇所のエリアだったりする。
萩⇒東萩⇒越ヶ浜⇒長門大井・・・。漢字の文字数は? 1つ⇒2つ⇒3つ⇒4つ・・・。
まぁ、それだけなんだがな。
いろいろテレビやなんかで取り上げられているところを見ると珍しいんだろうな。

あと、駅舎の利用方法もおもしろいぞ。
理容院として機能している。店主はオイラの同級生の親父さんだったりする。
陸橋 ←萩方面。錆付いていて歩くと全段きしむ陸橋。
はっきり言って怖いぞ。
陸橋から萩方面
→その陸橋から萩方面を望む。
益田市方面 ←ホームから益田市方面。 陸橋から益田市方面
→同じく陸橋から益田市方面。
駅舎と盆栽 ←とても駅とは思えない佇まいの駅舎。
盆栽が出迎えてくれる駅なんて・・・。
ヘアーサロン
→そしてこちらがメイン機能?であるヘアーサロンだ。
近くの見所
大井の田園 ←急に開ける田園地帯。春先までは玉ねぎ。ゴールデンウィーク過ぎあたりから稲作が始まる。よって稲刈りもこの近辺では遅い方。
大井円光寺古墳
→大井円光寺古墳。
萩市の中では、一番古くからある集落らしく、古墳も多い。文化的価値の高い地域。

ちなみに萩市はいったんここで途切れて阿武町へ。阿武町には奈古駅、木与駅、宇田郷駅の3駅がある。

奈古駅
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相対式ホーム2面2線
1929年(昭和4年)4月24日開業
奈古駅 地上駅という形式だそうだ。道路と隣接していて高低差がないと言う意味なのかな?
お隣の長門大井駅と同時開業。

山口県立奈古高等学校専用駅といっても過言ではないのではなかろうか。
陸橋 ←益田市方面を望む。 山陰本線車両
→この日、唯一見ることのできた車両・・・。
近くの見所
道の駅 ←道の駅発祥地「道の駅阿武町」  鶴ケ嶺八幡宮
→鶴ケ嶺八幡宮。
多少分かり辛い場所にあるが、巨木がひしめく見所の多い場所。

木与駅
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無人
相対式ホーム2面2線
1931年(昭和6年)11月15日開業
木与駅 木与の集落の西に位置する。
国道より一段高い位置にありこの駅舎は見づらい。
駅舎というより喫茶店といった趣の建物。

度重なる土砂崩れの為か、若干コース変更がなされており、使用しなくなったトンネルを各所で見れる。
益田市方面 ←益田市方面。 萩市方面
→萩市方面。
近くの見所
姫島 ←水平線が続く海岸線に浮かぶ姫島。巨木の群生があるそうな。 漁り火
→夏の夜に浮かぶ漁り火。
蓋のついたトンネル・・・。 ←探して欲しい!
蓋のついたトンネル・・・。
何箇所かあるよ。
清ヶ浜
→鳴き砂が残っていると言われるほど綺麗な清ヶ浜。写真ではとてもそうは見えないが。

宇田郷駅
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無人
2面2線
1931年(昭和6年)11月15日開業
宇田郷駅 木与駅と同時開業。
この駅、不思議な事に回りに民家が無い。
どうやら宇田郷地区と惣郷地区のちょうど中間あたりに位置するようだ。
しかも渡るとそのまま海に出てしまう意味不明の横断歩道もある。
ホーム ←益田市方面。
駅舎に似合わない立派なホーム。
ホーム
→萩市方面。
近くの見所
惣郷鉄橋 ←→惣郷鉄橋。
夕日と相成って鉄道マニアも御用達の鉄橋。
惣郷鉄橋
ここの海岸はやや大きめの砂利でできており、打ち寄せる波の音が他の場所とは違う。
意味不明の横断歩道 ←意味不明の横断歩道。駅の目の前にある。 渡った先は・・・。
→渡った先は・・・。
このページをご覧になられた方から、貴重な情報をいただいたので紹介しておきます。
上の横断歩道の素性が判りました。
以前、国道が拡張される前に海側に張り出す形で、小さな食料品店が2軒有ったそうです。
実はこのお店に行くための横断歩道だった、と言う情報でした。道路拡張により、そのお店は立ち退きとなってしまったようですが、駅というのが今以上に人々の生活と密接に関わっていたという証と言えるのではないでしょうか。

言い換えれば当時を語り継ぐ貴重な横断歩道と言える訳ですな。
三重のTさん、貴重な情報ありがとうございました。(2008.09.15記)
三穂神社 ←宇田地区にある三穂神社。
集落を見守るように東端に位置している。
2本のクロマツが見事。
岩場に群生していた花
→何の花か知らないが岩場に群生していた。

再び萩市

須佐駅
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有人
2面3線
1928年(昭和3年)3月25日開業
須佐駅 以前は木造平屋の駅舎だったそうだが、放火により焼失。
ただし下関駅ほどの話題性はなかったようだな。
いまでは綺麗な駅舎に生まれ変わっている。
近くに須佐のブランドである男命(ミコト)イカを食べる事のできる食堂もある。
ホームから益田市方面 ←ホームから益田市方面を望む。 同じく萩市方面
→同じく萩市方面。
近くの見所
ホルンフェルス ←やはりホルンフェルスかな。
ただし駅から遠いけど・・・。
男命イカ
→見所じゃないけど、須佐ブランド「男命イカ」を食してみては?

江崎駅
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委託駅(こんな形態の駅があるんだな。)
2面2線
1928年(昭和3年)3月25日開業
江崎駅 萩の最北東端であり山口の最北東端の駅。ここから先は島根県。
須佐駅と同時開業。

広い駅前が妙にさびしいな。
総合事務所やJAの支所があったりで、本来は田万川町の中心的場所なんだろうけどな。
自動車社会になっちゃったってことかな。
長閑な田園 ←田園の広がる長閑な線路。 萩市方面を望む
→萩市方面を望む。
陸橋 ←陸橋 駅開設50周年の記念碑
→駅開設50周年の記念碑。
D51のプレートが貼り付けてある。
近くの見所
田万川温泉 ←田万川温泉。
側にキャンプ場や下にある道の駅があり、田万川町の中で一番にぎやかなエリアになってきている。
西堂寺六角堂 ←西堂寺六角堂。非常に赴きのあるお寺。下関市にある恩徳寺の結びイブキのような木もある。 道の駅「田万川」
→その六角堂を模した道の駅「田万川」

ある意味、合併にて広範囲になり同じ萩市とは思えない感じもあるが、これにて萩市の駅は終了。お隣の駅は島根県となる。
運営本数が極端に少ないが、のんびり海岸線を眺めながらの旅も悪くないのではと思ってしまったな。
いずれトライしてみようかな。

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